糸・布からはじまる制作のこといろいろ
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「ポジャギのカケラをつくろう」ワークショップ@小山市車屋美術館

栃木県小山市車屋美術館にて2016年の展覧会に引き続き、「ポジャギのカケラをつくろう」のワークショップを2017/4/13,14と開催。

韓国ソウルで買い付けてきた(中国産)のモシを使い、チョガッポの縫い合わせの技法を体験してもらう。

3時間のワークショップでは、参加者それぞれが「カケラ」をつくって、最後に参加者のカケラを集めて一枚のポジャギに見立てて終了。「カケラ」は学芸員さんお手製の額におさめて持ってかえってもらった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

WSー1日目 

 

WSー2日目      

 

三層の織物「音からイメージするカタチ」
音からイメージするカタチ〜捺染絣・腰機〜


今年も昨年に引き続き、某大学の講座を担当しました。
今年は音からイメージするカタチと題して、捺染絣技法の布を腰機で織りました。
 

まずは、シンプルな音を聴いて、イメージする形を色紙でスケッチ



音からの印象を手に託して紙を切り、構成することで感覚を伝える。

初めよりもだんだんと手も頭もほぐれてきたところで、メインの音へ
メインの音は複雑な音が重なってるので、なかなか大変そうでした
もう少し上手にナビゲートできたらよかったな。。。

捺染の経絣は糸の上層にしか顔料がついていないので、織っていると必然てきに
かすれた模様が浮かびあがります。
今回のテーマは、このような技法の特性と、モチーフ(音)との関係を感じて
もらうことにありました。

写真ではわかりずらいですが、緯糸にも捺染して、さらに織り上げてからも
捺染してあるので、この布=平面には三層の形が織り込まれています。





布を織ることが初めての方もいらして、腰機は高いハードルでしたが、
みなさん作品が仕上がってなによりでした。
腰機って、やっぱりいい道具だ。




来週は腰機ではありませんが、同じような講座があります。
少しレベルアップした内容にしたいので、アイディア考え中。


 
「糸づくりからはじめる織物」腰機講座
  

  

  

10/13.27に「糸づくりからはじめる織物」腰機の講座をおこないました。
織物はその構造上、計画性が重要になります。しかし今回は、素材を触り、
試行錯誤するなかでカタチづくられる織物をつくってもらいました。

一日目には、梱包用のビニール紐を細く、細く裂き、それに撚りをかけて
数種類の糸をつくってもらいました。
たかがビニール紐、されどビニール紐。
日常の些細なものが別の質のものへと変容していく様子を体験してもらいました。

そして二日目は、各自が持参した素材を使って織物を作ってもらいました。
(上写真9枚)
*娘さんが来ていたスカート
*お茶やさんの包装紙
*分厚いフエルトの布
*毛糸を鎖編みなどして作った糸
*染めのテストピースの布きれ
*体洗いタオル
*ビニール袋・釣り糸
*裏地の端布

既製の糸や素材を使ったとしても、それをそのまま使うのではなく、
「手になじませる」という感覚をあじわってもらえたかな。と思います。

また、今回の講座では、腰機を使いました。

腰機はほんとにどこでもできて、素晴らしい織り機です。
今後も機会があればこのようなワークショップをやっていきたいな。

次は、自然素材バージョンかな。
これもかなりハードル高めです。


クテ打組紐
クテ打組紐はループ状にした紐を指や手を使ってつくる組紐。
先生にご指導いただきながら、三基本組紐のサンプルをつくる。
5ループの糸を、規則的に組んでいく。
組み方は2種類。
その2種類を 開ー閉 という。
この2種類をそれぞれを繰り返す方法と、開と閉を交互に組む方法の3種類。
シンプルだけど、組み方、色の組み合わせ方でいろんなバリエーションの紐ができる。

古くは古墳時代からあったのではないかという説がある。
そして、世界各地に同じ技法でつくられた紐もあるらしい。

シンプルな技法で手か慣れてくるとリズムが生まれ、集中力が増す。
しかし、そのリズムに流されるとふと我にかえったときに、手元がくるい柄がずれてしまう。




 

 

 


こちらは津軽に伝わる赤子が生まれたときに手首や足首につける紐。
同じ技法で作られた物。


音を紡ぐ―ワークショップ
今年の前期に、某大学の授業で行ったワークショップ(WS)
「音を紡ぐー織物ー」
琴演奏家、今西玲子さんの
「float- sleeper hallucination-」という曲をお借りして、この音の印象から、織物をつくるというWS

時間の制限があったので、WS実施一週間前に曲を配り、一週間、一日一回、この曲を聴いた印象をスケッチ(絵or言葉)して、WS当日に持参してもらい、そのスケッチをもとに10名くらいのグループで、織物をつくってもらった。

10分ほどの曲を3部に分け、約10名×3班、クラス全体で、一曲分の織物をつくる。

布をつくる為に織るのではなく、経糸を時間軸と見立てて、音を紡いで織込み、織物で楽譜をつくる。

れいこさんの曲は、琴の音が余韻を残し、何層にも重なりあって、抽象的でとてもイマジネーションをかき立てられる。

学生たちも、自由に曲を解釈し、織物に託していた。

糸を紡ぐ、織るという動作は、手を道具にした巧妙な技術に基づいた行為。
アンドレ・ルロワ=グーランによると、技術とは「記憶によって提示され、脳と物質環境のあいだで生み出され」、連鎖的に組織された「身ぶりと道具」のことである。

手を道具とした技術を用いて、音から感じた世界観を行為の痕跡―織物ーで表現する、というプリミティブな行為をやってみる、というのがテーマ。

学生達は、はじめは慣れない手つきながらも、時間が進むにつれ、作業に没頭しているようだった。

最後の鑑賞の時間には、前に作品を展示して、照明をあて、曲を聴きながらの鑑賞。
さっきまで織っていたものが、展示した瞬間、立ち現れてくるものがある。
あの瞬間のグッとくる感じ。みんな感じてくれている様子だった。