糸・布からはじまる制作のこといろいろ
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青森にて調査開始
13日からいよいよ調査を開始。
調査の前段階として、データベースを検索して目星をつけるも、実際に見てみると
データベースの写真ではわからなかった「イイモノ」があって、結局多くのものを
開いてみてしまう。

13日 9:30〜17:00 津軽こぎん刺し
14日 10:00〜17:00 染こぎん、二重刺しこぎん
15日 10:00〜17:00 南部菱刺し、つづれ刺し、(たっつけ、マタワレなど)
16日 13:00〜17:00 南部菱刺し前だれ
17日 11:00〜17:00 蚊帳、麻肌着など

 
二重刺し 染めこぎん    菱刺し

津軽こぎん刺しは、紺(藍)の麻布に白の木綿糸で、模様を刺したもので、
(古くは麻布に、麻糸で刺していたらしい)、東こぎん、西こぎん、三縞こぎんと
3種類ある。
それらのこぎんがすり切れたり、いたんでくると、それを再び藍で染めて染こぎん
にし、こぎん刺しの上からさらに白糸で模様を刺すものを二重刺しという。
この2種類は、年配の方が着るそう。

藍色に白糸のこぎんはコントラストがはっきりしていながらも、素材や刺しのリズム
からか、素朴な味わいがある。
染めこぎんの中には、何度も洗濯して晒されたからか、麻の艶がでていて黒光りして
いるものもある。 
二重刺しのこぎんは、白の刺し模様の上から白い木綿糸で刺すことで、全体がほぼ
白糸でうめつくされる。
白い糸の刺し模様の隙間から藍の下地がかろうじて見え、元の模様がなんとなく浮
かび上がる様子が美しい。

調査をしていると、展示のことも考えなければならないのに、モノにはまりこんでし
まう。
収蔵品を開いてみているとほんとに立派な刺しがほどこされたものは、これまでの
企画展でも公開されていて納得する。
しかし、こぎん刺しの資料として提示するには選ばれていないモノも沢山あって、
その中には、目にすると想像、空想の世界へとひっぱられてしまうモノもある。

観ていると展示のアイディアがわいてきて、3つくらい展示企画ができそうな気に
なるけれど、いざ具体的に考えるとなかなか悩んでしまう。

5日間は、ほんとうにあっという間に過ぎてしまった。
青森滞在はあと1週間。

 

 
2012夏―大阪〜十日町(新潟)
 今年の夏、2013年2月にACACにて開催される展覧会の為の調査で再び青森の地に。
今回は、新潟(十日町)で染織素材の為の展覧会でおこなわれるWSに参加するため、
新潟経由で青森まで。
大阪―新潟 車
   新潟に2泊(
三省ハウスに滞在)
新潟ー秋田 フェリー
秋田―青森 車

このWSではずっと気になっていた「編布(あんぎん)」、麻を栽培している農家の
方の話、麻素材を研究されている先生の講演、染織WSなど、内容が充実したものば
かりで、とても勉強になった。

 
あんぎん編み途中

そもそも十日町でのWSは大阪からだと遠いので参加するのは難しいと思っていた。
けれど、青森に行くことも決まっていたので、思い切って予定に組み込む。
なぜなら青森での調査は津軽こぎんや南部刺し、裂き織りのものを調査しようと思
っていたので、麻素材のことについて、少しでも詳しく勉強したかったからである。
この思い切りが功を奏して今まで見えていなかった麻素材にまつわるいろいろを見
る機会となった。
特に、大麻、苧麻の素材の織物を触り、鑑賞しながらお話を聞けたのは何よりの
収穫。ほんとにこのときに感謝すべきは、他の参加者の方が親切に、ライトスコ
ープなるものをを貸して下さったこと。このおかげでこれまで知らなかった麻素
材の一面を見た。(後日早速ライトスコープを購入)
青森へ向かう導入としてはとてもいい時間を過ごした。
また宿泊した三省ハウスは元小学校を宿泊施設に改装した建物で、一人でも快適に
時間を過ごせた。食事は野菜中心で、新潟だけにごはんもおいしい。

 

十日町から新潟港までは車で3時間くらい。
道中、車のフロントガラスの向こうに花火があがり、感動。
幸先のよい感じがして励まされた。

 
梱包終了
本日無事に梱包終えて、作品を送り出す。
明日にはもう到着する。
私は25日にサンダーバードに乗って金沢まで。
はあ。どきどきする〜。
搬入がんばってきます!


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「あるものがたり」ー続く物語

以前、ブックアートの展覧会で出品した作品を再び展示する機会がやってきた。
今日は、その展覧会のカタログ/本に掲載するためのオブジェ作品の撮影。
以前は、展示記録を撮っただけだったので、プロの写真家に撮影していただいた。
今まで、インスタレーションの撮影しか立ち会ったことがなかったので、撮影機材をアトリエに持ち込んでもらっての本格的な撮影は興味津々。

白い背景の上に作品を設置。
あらためて、この作品の表情を追う。
多分、他の人が見たってかわりないのかもしれないけれど、私にはここ。という位置がある。
それはまるで、白い紙の上に、デッサンするような感覚。
ジュートの素材感、ディテールが浮かび上がってくる。
この瞬間がすき。

やっぱりプロに撮影してもらうと違う。
じんわり感動。

同じ作品を出品するのは、何か決まったことを繰り返すようで、作業的になりそうだったけど、今回は、今回で、いろいろ新しいことに取り組んでいる。
一つは、このカタログ/本。
作品同様、いろいろな人に関わってもらっていてちょっとおもしろいものになりそうです。
まだまだはじまりだけど、読んでもらう人の心に残るものにしたい。

作品撮影の次はポートレートを撮影。
うーーーん。緊張する。
撮影中に、「怖い顔になってる。」と言われること度々。
さて、どの写真が採用されるのだろう。

撮影後は、写真家の方に、写真についていろいろと質問。
次の作品は、写真作品でつくりたいものがある。
持っている技術を惜しみなく教えてくださる。
いろいろやってみたらいいよ。と言ってくださったのが、心強い。
きっと簡単じゃないだろうけど、やってみよう。

撮影が終わると、どっと疲れが。
ソファーで仮眠し、デスクワークを少しだけして帰宅。

さあ、これからこれから。

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展覧会「
Inner Voices-内なる声ー
期間:7/30-11/6
場所:金沢21世紀美術館

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記録写真

photo by 福永一夫

今回の記録写真は、福永一夫さんに撮影していただいた。
今回の展示は4日間ということもあり、記録写真はすごく重要であったにもかかわらず、作品制作や、展覧会の準備で、写真家の方をあたれずにいた。そのときに、信頼する写真家の方に相談したら、福永一夫さんにあたってみたらどうかということで、知り合いの紹介で、撮影していただくことになった。
急な依頼だったにも関わらず、時間をつくって撮影に来て下さった。

仕上がった写真は、やはりどれもすばらしく、紹介してくださった方々、そして引き受けてくださった福永さんに感謝。

今まで、私は、自分のイメージした世界をそのまま再現するように、作品を制作していた。
あたりまえのことかもしれないけれど、でもそれではおもしろくないと思うようになってきた。そして、最近は、イメージした世界が、そのイメージを超えて何かが見えてくる瞬間を期待して、作品をつくるようになってきている。
ただのイメージの再現では、見る人にとっても、それを超えた世界(「超」イメージともいうべきか。)をそこに見ることができない。

作品の「超イメージ」が見えてくるには、やはり作品との対峙の時間も重要である。
今回の4日間で、多少のものは見えてきたが、やはり短すぎた。
だからこそ、記録写真が重要。
今回撮影していただいた写真から、つぎにつながるイメージをもらえた。
感謝します。

Yangjahさんの衣装
先月、パフォーマンスアーティストYangjahさんの衣装を制作。
「うみみず〜此岸〜」@梅香堂(http://www.baikado.org/home.html)でYangjahさんがパフォーマンスのときに着るための衣装。
3日間の展覧会期中は、毎日さまざまな音をつくる人達とコラボ。
梅香堂の独特の展示空間が、それ自体もインスタレーションの一部のようなパフォーマンスだった。

衣装は、Yanjahさんが今まで丁寧にあつめた藍染めの古布、ボロを使っての制作。
やっぱり古布には力がある。
しっかりと染み付いた藍と、それが使ううちに摩擦によって剥がれながらも繊維の奥深くになじんでいく藍。
染料って、やっぱり物質だと思う。
生地を見せてもらって、すぐにイメージが湧いた。
テーマはジプシー。
空を舞うように軽やかに、それでいて地に足着いた。そんなイメージです。

 
201005031130001.jpg
写真撮影:山下一夫        haji


写真撮影:小林数馬

パフォーマンスの写真提供:Yangjah

Yuki-sanへ
昨日、待ちに待っていた「HOME」展のカタログがとどいた。
昨年9月末から3ヶ月間、滞在していた青森国際芸術センター(ACAC)のアーティスト・イン・レジデンスプログラムのカタログである。

ACACのカタログは充実している。
作品写真とキュレーターの方々の文章がすばらしい。
今回、公募プログラムに参加できることがわかって、未知の土地「青森」で制作できることも喜びだったけれど、制作した作品に対してキュレーターがどんな文章を書いてくれるのか、それもとても楽しみ(緊張)の一つだった。

そのカタログが昨日、届いたのである。
Yuki-sanの書いた文章は、作家が発した言葉の端布を、手のひらでなでて整え、丹念に撚りをかけながら織ってできた裂き織りの布のようだと思った。
文章からは、私が渡した資料や、本、展覧会期間中のトークの言葉など、丹念にひろいあげて、つなぎ、それにYuki-sanの解釈が加わって、別のものが作りあげられる。
できあがった文章は、新たなテクスト「織りあげられたもの」となる。

「積み重ねられて生まれていく思考、繰り返されることで育っていく感情」

Yukiさんの文章の一節である。
記憶は、瞬間瞬間に変化していく。
解体、構築を繰り返し染み付いていく。
変化するその瞬間をつくるのが芸術であり、それを再び壊すのも芸術の役目だと思う。
どのような瞬間をつくり、どのように壊すのか。
そこに可能性をみつけたいと思う。

カタログができあがって、このレジデンスプログラムが終わったんだと実感する。
もちろん、この作品があってまた次に新しいものが生まれてくるんだけれど、
このような経験ができたことに感謝。

そういえば、もうそろそろ今年度の公募が始まるんじゃないかな。
タイミング、時間の都合、いろいろあると思うけれど、ぜひ応募してみてください。
昨年の今頃は、トロントで気合いいれてこの申請書書いてたな。。。一年はやっ。

国際芸術センター青森
http://www.acac-aomori.jp/

 
裂き織り「こたつ掛け」





「妹からのてがみ」  
(上載二枚)撮影:山本糾 資料提供:国際芸術センター青森
青森のつぎ
展覧会も無事終わり、搬出も無事終了。
作品をばらして梱包したら段ボール15箱になる。
車につめないので、宅配便で自宅まで。
さて、この15箱どこに置いておくのだろう。
今回の作品は、同じものはできなくとも、おなじパーツをつかって
関西で展示してみたい。
それまでは、なんとか保存しておかないと。

青森からの帰路は、とにかく大雪と嵐とで大変だった。
帰路の雪景色を携帯の写真にでもおさめたかったけれど、雪道運転
は慣れていないので、そんな余裕もなく、ただひたすら秋田港をめ
ざして走る。
雪がやんだと思えば、吹雪くし、そのあとのフェリーでは日本海は
大荒れで、揺れがきつかった。
座っていると酔うので、横になっているしかない。
本をもっていったけど、読んでいたらまたこれも酔うので、なにも
できない。

大阪まで戻ってきたら、大雪と嵐を通り抜けてきたことがうその
ようで、細い路地と、渋滞の国道がなんとなくなつかしく感じた。

青森での滞在の最後にあの大雪の景色をみられたことはよかった。
トロントでの雪景色とはまた違う。
ながーい冬をどのように過ごすのだろうか。

青森の海鮮物と日本酒はほんとにおいしかったなあ。
こんどは夏に訪れてみたい。

展覧会最終日
 本日「HOME」展の最終日。

一ヶ月はあっという間だったな。
展覧会がおわるのはやっぱり少し寂しい。
でも、今回の展示はACACのギャラリーを思う存分使わせて
もらって、サポートしてもらって(これがなかったら実現で
きなかった。)自分でいうのもなんだけど、いい展示になっ
たと思う。
そして、長い展示期間があって、作品を長い期間みつめられ
る時間もあって、また次のことも少し見えてきたように思う。

次の何かを感じられたものを今回つくれたということは、
充実していたということなのかな。

現在、ACACのサポーターの方々、スタッフの方々に手伝って
もらって、次の作品の準備をはじめている。
これは声を使った作品。つくりながら―材料をあつめながらー
わくわくしている。

今日は昨日とはうってかわって、かなり冷え込んできている。
明日から雪がつづくらしい。
帰るまでに溶ければいいけど、、、アイスバンになった道を
運転するのは避けたいなあ。
先日、ずっとなやんでいたけれど、夏タイヤから、スタッドレ
スにタイヤを交換した。
中古のタイヤ。
保険のつもりでつけかえたけど、できればかえなくてもよかっ
たね。といえるといいな。

中古のタイヤを買ったおみせで、タイヤとはまったく結びつか
ないようなものを購入。

津軽塗のお棗。

とってもお買い得な値段で購入。
こういうモノとの出会いはうれしい。
これをもちかえって、お茶会で使える日が楽しみ。
その時には、棗をとおして青森での話ができるだろう。
先生からいただいた、朝鮮半島から渡ってきたお茶碗と一緒に。

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素材
展覧会のお知らせをアップしてからだいぶ日にちが経った。

展覧会は、レクチャー(アーティストトーク)も終わり、
3週間めに突入。
森の様子もだいぶ変化している。

今日は、次の作品のために今回の作品で使った素材の麻縄
(ジュート)をもうすこし使ってみたくなったので、試作
をしてみる。

この素材はロールで買ったのだけど、そこに、この素材に
関する説明が。

バングラディッシュはジュートを生産してるんだね。
あまり関心をもったことがなかったな。。

バングラディッシュの女性たちが撚った麻縄を、
私がほどいて作品にしている。

そういう事実も、作品をつくりながらしている妄想の
世界をひろげてくれる。

作品を見た人に今回の作品は手で編んだと話をしたら、
すごく手が荒れたんじゃないといわれることが多い。
たしかに、少し手の皮が固くなったけど、擦れて痛い
ということはない。
見た目よりも、柔らかい素材。

それよりも匂いの方が気になる。
教室を油引きしたときのような匂い。
この匂いを、縄を撚った女性たちも嗅いでいたのかと思
うと、不思議な気分になる。
決していい匂いではないね。
撚るときに、油を使っているのだろうか。
時間が経つとあまり気にならなくなったけれど。

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